第6回日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)学術総会

会長挨拶

会長

第6回日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)学術総会
会長 加藤 聖子
九州大学医学研究院生殖病態生理学分野

この度、一般社団法人日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構:JOHBOC(Japanese Organization of Hereditary Breast and Ovarian Cancer)第6回学術総会を担当させていただく九州大学医学研究院生殖病態生理学分野の加藤聖子です。2026年5月9日(土)〜 10日(日)の2日間、昭和医科大学 上條記念館で開催させて頂きます。本機構は日本人類遺伝学会、日本乳癌学会、日本産科婦人科学会のご協力のもと、遺伝性乳癌卵巣癌およびその疑いのある患者や家族に対する診療体制の整備と拡充を図り、日本の予防医学の向上に寄与することを目的として、2020年まで(NPO法人)日本HBOCコンソーシアムで行われてきた事業(BRCA受検者の全国登録事業、施設認定事業、HBOC診療に関する教育啓発事業等)を引き継ぎ、新たにHBOC診療ガイドライン作成事業やホームページでの情報発信事業等を追加してまいりました。昨年、この事業を立ち上げから率いてこられた中村清吾先生が亡くなられました。会員一同、先生のご遺志を継いで更なる発展を目指していきます。本学術集会のテーマを「HBOC予防・診断・治療〜次世代への扉〜」とさせていただきました。新理事長の大野真司先生にこれからのJOHBOCについてご講演いただきます。

さて、近年、予防法としてリスク低減乳房切除術やリスク低減卵管卵巣摘出術が発症者に対して保険収載され日常診療で行われるようになりました。乳癌治療後に加え、閉経前に卵巣を摘出することにより卵巣欠落症状に対するケアも必要です。また、がん生殖の分野では乳癌患者さんの卵子凍結も施行されております。加えて、まだ本邦では認められていませんが、凍結した卵子を用いた受精卵の着床前遺伝学的検査(PGT-M)も海外で行われており、国内でもその要望が高まってきております。さらに近年、乳癌、卵巣癌だけではなく、消化器癌、膵癌、前立腺癌もBRCA変異に関連する癌として知られるようになりました。本学術集会では、こういう新たな課題に対するシンポジウムを関連する各分野の先生方に協力いただき企画しております。特別講演にはがん生殖の分野から、埼玉医科大学 高井泰先生、遺伝子診断の分野から理化学研究所 桃沢幸秀先生にご講演いただきます。

本学術集会がHBOC診療の次世代の扉につながれば幸いです。多くの皆様のご参加をお待ちしております。